ネットの安全を考える上で、警察からログを要求されるかが気になる方は多いでしょう。
とくにNordVPNは海外に本社があるため、捜査機関に情報が渡るのか疑問に思うかもしれません。ここでは、NordVPNが警察に特定されにくい理由や、情報提供の可能性などを詳しく解説します。
NordVPNが警察に特定されにくい理由

NordVPNは世界中で人気のVPNサービスです。
高い暗号化技術と厳格なノーログポリシーが特徴で、利用者の通信やIPアドレスを守る点で信頼を集めています。多くの人が「警察にログが開示されるリスクはないか」「日本サーバーを使っても安全なのか」と心配しているようです。
しかし、NordVPNは海外拠点で運営されるなどの独自の仕組みによって、捜査機関からの特定を回避しやすいといわれています。
ここでは、警察に特定されにくいとされる8つの理由を順番に確認します。仕組みを知ることで、より安全にVPNを使えるようになるでしょう。
本社がパナマにありデータ保持義務を受けない

NordVPNの運営会社は、パナマに拠点を置いています。
パナマは通信データの保存義務が法律で定められていません。多くの国では、当局からの要請に応じて接続ログを一定期間保存するよう義務づける場合があります。ですが、パナマにはこうしたルールがありません。
そのため、VPN事業者が利用者のデータを法的に管理する必要がほぼないのです。
具体的には、下記のようなポイントが挙げられます。
- パナマの法制度は通信監視に積極的でない
- 裁判所命令の適用範囲が限定されている
- 政府機関へのデータ開示義務が設定されていない
こうした事情により、NordVPNは通信情報やログを保存する環境を強制されません。
結果的に、日本の警察が特定の情報を開示請求しても、保持されていないログを提出することは難しいといえます。これが第一の理由といえるでしょう。
通信トラフィックを強力に暗号化している

NordVPNは軍事レベルといわれるAES-256暗号化方式を採用しています。
この暗号は世界でもっとも安全性が高く、通常の方法では解読が困難です。VPN接続時に端末からサーバーへ送受信される通信はすべて暗号化されます。そのため、傍受されてもデータの中身は読めません。
暗号化されるメリットは大きいです。仮に警察が通信を監視していたとしても、解読できないデータのままではユーザーのIPアドレスや閲覧履歴を判別するのは厳しいでしょう。
また、NordVPNは通信のセキュリティ対策を常に強化しており、利用者がより安全な環境でネットを使えるよう工夫を続けています。こうした理由から、外部からの介入だけでなく、法的な捜査の面でも解析を困難にしているのです。
厳格なノーログポリシーを採用している

NordVPNの大きな特徴は「厳格なノーログポリシー」です。
これは、ユーザーの閲覧履歴や接続時間、使用したサーバーなどのデータを保存しない方針を意味します。
ログを持っていなければ、捜査機関からログ開示を求められても提出できません。
企業の中には「ノーログ」をうたっているにもかかわらず、実際には一部データを保存しているVPNサービスもあります。しかし、NordVPNは第三者機関による監査を受け、ノーログであることを証明しています。
これはユーザーのプライバシーを最優先する姿勢を表しており、警察の特定を困難にしている大きな要因といえるでしょう。
VPNトンネルでIPアドレスをマスクする

VPNは通常、ユーザーの端末とVPNサーバーの間に「トンネル」と呼ばれる暗号化された経路を作ります。これにより、外部から見ると利用者の本来のIPアドレスが分からなくなります。
NordVPNの場合、世界各国にあるサーバーを経由するため、利用者の端末IPが直接露出することはありません。
警察などの捜査機関が追跡する場合、多くはIPアドレスをたどります。
しかし、NordVPN経由の接続では、捜査対象となるのはNordVPNサーバーのIPです。さらにノーログ方針のため、そこから先の利用者個人を特定する手がかりはないと考えられます。これも「NordVPN 警察 特定」のリスクを下げる大事な仕組みでしょう。
キルスイッチ機能で漏洩を即時遮断

VPN接続が何らかの理由で突然切れた場合、一時的にユーザーの本来のIPアドレスが露出する恐れがあります。しかし、NordVPNには「キルスイッチ」という機能が備わっています。
これは通信が不安定になった瞬間にインターネットアクセスを止める仕組みです。いわば非常停止装置のようなもので、VPNが切れた瞬間に即座にネットから切断されます。
結果として、通信経路がむき出しになるリスクを極力防いでいます。警察による監視がなされていたとしても、ふとした接続障害のタイミングでIPが漏れる心配が大幅に減るのです。
安全性を高めるためにキルスイッチをオンにしておくことは、警察だけでなく、不正アクセスから身を守るのにも役立ちます。
Double VPNで二重の暗号化を実現

NordVPNは通常のVPN接続のほかに「Double VPN」という機能を提供しています。
これは、ユーザーの通信が2つのVPNサーバーを経由する仕組みです。1回目の暗号化に加え、もう一度暗号化されるため、外部からの解析難易度がさらに高まります。
Double VPNを使うことで、警察や第三者が通信を傍受した場合でも、通常のVPNより解読に時間を要します。暗号化のレイヤーが増えることでプライバシーが向上する一方で、通信速度が若干遅くなる可能性があります。
しかし、匿名性をとにかく重視したい方には最適でしょう。このオプションは簡単に有効化できるため、安全性と速度のバランスを考えながら利用するかどうか選べます。
Onion Over VPNで匿名性を強化
NordVPNは「Onion Over VPN」という機能も備えています。
これはVPNサーバーを経由した上で、さらにTorネットワークを使うという仕組みです。Torは複数のノードを経由することで、閲覧履歴やアクセス元を極限まで隠す働きがあります。VPN接続とTorの組み合わせは、警察による追跡をより困難にする方法として知られています。
Tor単独でも高い匿名性が得られますが、VPNとの併用は以下の利点があります。
- ISPからTor利用が直接分かりにくい
- Torの初期接続段階でIPが保護される
- 万が一Torが切断されてもVPN接続が残る
このように、NordVPNならではの機能を活用することで、自身の行動履歴を外部に追われにくくする効果が期待できます。
世界規模のサーバーネットワークを保有

これだけ多くの拠点があると、警察が何らかの捜査を行う際に特定サーバーを重点的に調べたとしても、対象が分散するため割り出しが難しくなります。
また、「NordVPN 日本サーバー ログ」を懸念するユーザーもいますが、NordVPNは日本にあるサーバーでもノーログ方針を徹底しています。
物理的にサーバーが国内にあっても、あらかじめログをとらない設計ならば、有力な手がかりは残りにくいでしょう。
いずれにしても、世界規模のサーバー展開とノーログ運用が重なることで、警察に特定されにくい環境を作り上げているのです。
NordVPNが警察に情報提供する可能性とノーログ方針
NordVPNは高いプライバシー保護機能を備えており、警察などの捜査機関に対する情報開示リスクは低いとされます。ただし、絶対に特定されないとは断言できません。
ここでは、NordVPNが掲げるノーログポリシーの詳細や、実際に捜査要請があった場合の対応方針について見ていきます。
利用者としては開示請求の仕組みや、裁判所命令に対する姿勢を理解しておくことが重要です。
ノーログポリシーとは何か
ノーログポリシーとは、利用者の通信履歴やIPアドレス、接続時間などの情報を記録しない運営方針です。NordVPNはこれを公式に明言しており、監査機関からのチェックも受けています。
結果として、ユーザーの行動が追跡できるログがそもそも残らない仕組みです。これは「NordVPN 開示請求」を懸念する利用者にとって重要な安心材料といえます。
ノーログポリシーを採用していると、万一当局からの要請があっても、「保存していない情報を提出することは不可能」として拒否できるわけです。もちろん法律に従う必要はあるものの、物理的にデータが存在しないので協力できないという状況を作れます。
ノーログが開示請求からユーザーを守る仕組み
警察が捜査を行う場合、プロバイダやサイト管理者などに対して「ログ提供」を依頼します。
これは、犯人特定のためにIPアドレスや閲覧履歴の手がかりを集める目的です。VPNサービスも同様に、ログを持っていれば捜査協力を求められます。
ノーログ方針で一切データを持たない場合、開示請求に応じられる情報が極端に少なくなります。
さらにNordVPNは、ユーザーの接続情報を常に暗号化して保護しています。通信ログがないうえに、仮に通信が監視されても暗号化で中身が読めないのです。これらが合わさることで、警察による特定を困難にしていると考えられます。
ただし、違法行為の疑いが濃厚な場合、別の手段で捜査される可能性もあるため、油断は禁物です。
開示請求を受けた際のNordVPNの対応フロー
NordVPNは捜査機関からの開示請求を受けると、まずパナマの法律を基準に対応を検討します。
海外の捜査機関が要求してくる場合、パナマの裁判所の正式な命令でなければ応じない可能性が高いです。日本の警察が直接ログ開示を求めても、そのまま提出を受け付ける仕組みではないといわれています。
仮にパナマの裁判所命令が下ったとしても、既述のとおりノーログポリシーで通信情報が保存されていません。つまり、「提出できるデータが存在しない」という状況になりやすいです。
最終的に法令遵守はしながらも、実質的にユーザー情報を提供できないというケースがほとんどとされています。
法的要求・裁判所命令へのスタンス
NordVPNは世界各国の法執行機関からの要請に対応することは、公式サイトでも認めています。ただし「適切な法的手続き」が踏まれたうえで、かつ提出できる情報があれば応じるというスタンスです。
つまり、書面での裁判所命令など正当な手続きがない限り開示請求には協力しませんし、ログがないため原則的に出せる情報は乏しいといえます。
ただし、「完全無欠の防御が保証される」というわけではありません。
VPNの運用やサーバーの差し押さえなどによって、ごく一部の情報が判明する場合も考えられます。それでも、通常は高度な暗号化とノーログの組み合わせにより、利用者が特定される確率は非常に低いです。
NordVPNと警察に関するよくある質問
ここでは「NordVPNが本当に安全なのか」「警察にバレるリスクはどれくらいなのか」といった、実際によく寄せられる疑問をまとめます。VPN利用者の中でも、このような質問は頻繁に出ます。誤解を避けるためにも、正しい知識を持って安全に使うことが大切です。
NordVPNの利用は合法ですか?
基本的にVPNサービスを使うこと自体は違法ではありません。
日本国内ではVPNの使用を制限する法律はありませんし、海外サービスを利用しても同様です。むしろセキュリティ対策や通信のプライバシー保護のためにVPNを導入するのは、一般的になっています。
ただし、VPNを使って違法行為を行えば別問題です。著作権侵害や犯罪行為にVPNを利用するのは当然ながら法に触れます。警察による捜査対象となり、結果的に何らかの形で足がつく可能性もゼロではありません。
VPNはあくまでインターネット上の匿名性を高める手段であり、違法行為を容認するものではない点に注意しましょう。
VPNを使ってもIPアドレスは特定されますか?
通常のVPN利用では、直接的には自宅回線のIPアドレスが外部に漏れるリスクは低くなります。
警察が捜査する際、アクセス元として判明するのはVPNサーバーのIPアドレスです。そこからNordVPNへログ開示請求を行っても、厳格なノーログポリシーがあるため利用者個人を割り出すのは難しいといえます。
ただし、注意すべき点もあります。
- VPN接続が切れた瞬間の通信
- アカウント登録時の支払い情報
- SNSやメールサービスで個人情報を使う
これらを通じて本人と結びつけられる可能性はあります。VPNによる匿名性を過信せず、端末やオンラインアカウントの取り扱いにも気を配ることが大切でしょう。
違法ダウンロードがバレる可能性は?
違法アップロードやダウンロードをVPNで行えば、確かに通常よりは身元が特定されにくいです。
しかし、絶対にバレないわけではありません。なぜなら、著作権管理団体や警察がP2Pネットワークを監視したり、ファイル共有サービスから情報を得たりする場合があるからです。
VPNを使うことでIPアドレスは隠れるものの、アップロードしたファイルや履歴は別の経路で突き止められる可能性があります。
また、著作権侵害が重大な犯罪とみなされる国では、さらに厳しい捜査体制を敷いているケースもあります。VPNの利用はあくまで通信経路を保護する手段であり、違法行為を正当化するものではありません。
たとえ匿名性が高まるとしても、法的リスクが消えるわけではないことを忘れないようにしましょう。
TorとNordVPNを併用するメリットはありますか?
Torは複数のノードをランダムに経由する仕組みを通じて、プライバシーを強化するシステムです。
NordVPNと併用すると、VPN接続時のIPアドレス保護とTorの多層ルーティングが組み合わさり、匿名性がさらに高まります。特に「Onion Over VPN」機能を使えば、VPN経由でTorネットワークに入るので、ISPにTorの使用を知られにくいという利点もあります。
ただし、その分通信速度が低下しがちです。また、Tor自体が不正利用を警戒されるケースもあるので、アクセス先によっては接続がブロックされる場合があります。
メリットとデメリットを理解したうえで、追加の匿名性が欲しい人だけが検討するのがよいでしょう。
まとめ
NordVPNは本社がパナマにあることやノーログ方針など、警察が特定するのを難しくする多くの要素を備えています。
強力な暗号化やキルスイッチ機能、Double VPNなどの高度なセキュリティ機能も大きな魅力です。
ただし、捜査手法次第では特定される余地は残っています。違法行為をするための道具ではなく、プライバシーを守る手段として正しく活用することが肝心です。